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キーボードでマウスも操作するならトラックポイントを使ってほしい

一回だまされたと思って

この記事について

これは、キーケットスタッフ Advent Calendar 2025の12/9の記事です。昨日はぽにょ@ponyoxaさんのさらば REALFORCE 英語配列 30g モデルでした。何とか目当てのキーボードを手に入れられたようで安心です……!

はじめに

キーボードマーケット(通称キーケット)でスタッフをさせてもらっています、大学1年生の柴犬被りです。今日は別のアドカレ記事も書いているでそちらもよろしくお願いします。 私が普段使っているキーボードはこのPoti48というキーボードです。 今年の1~3月に設計、制作しました。

かっこいい!

このキーボードでのこだわりは、右手のキーの間に鎮座する🔴トラックポイント🔴と右手親指の五方向スイッチです。これはPoti48の前に使っていたDo52Proというキーボードに影響を受けています。 個人的に、この組み合わせはキーボードとポインティングデバイスの統合における最適解です。 この記事ではどうして人差し指トカーソル操作×親指マウスボタン操作が素晴らしいのかを書いていきます。

トラックポイントは省エネなカーソル操作

トラックポイントは、内蔵されたひずみセンサによって軸にかかった力を読み取ってカーソルの移動をするデバイスです。とても鋭敏なジョイスティックだと捉えるとわかりやすいでしょう。ジョイスティックは使う際に1-2cmの移動が発生しますが、トラックポイントでは力のかけ具合で操作をするため、格段に操作時の動きが小さくなります。

これくらいでOK

また、一般的なマウスやトラックボールとは違い一方向に力をかければどこまでもカーソルが動きます。マウスを使って大きくカーソルを動かそうとすると複数回手を動かして机をこする必要が出ることがありますが、トラックポイントであればその必要はありません。

この2つの特性によって、トラックポイントを使ったカーソル操作は手の移動を減らすのみならず、指の動きも小さくできます! 腱鞘炎対策に選ぶべきポインティングデバイスはトラックポイントなのかもしれません(?)

5方向スイッチは1uで5度おいしい

Do52ProやPoti48で使用している5方向スイッチはA07-12-X5というスルーホールで実装するタイプのものです。このスイッチはふつうのMXスイッチよりも小さく高さも低くなっています。そのため、3Dプリンター製のステムを噛ませるとキーの中に完全に溶け込ませることが可能です。

これがこうしてこうなってこう

密集したキーの中で使うと干渉することが考えられますが、サムクラスタに取り入れるのであればその心配はいりません。 矢印キーやスクロールを仕込んだり、オートマウスレイヤに悩むことなく潤沢にマウス専用キーを割り振ったりできます。 現在私はメインのレイヤーでは

  • 左クリック
  • 右クリック
  • ホイールクリック(tap)/スクロール発火キー(hold)
  • 戻るボタン(tap)/ジェスチャ発火キー(hold)
  • ホームボタン(Android用)

を、記号レイヤーに上下左右のスクロールを割り振っています。ここまでの機能が1uのスペースに収まるのは素晴らしいです。

指の割り振りが合理的

人差指と親指を比べたとき、細かい動作が得意なのは人差し指で、力を入れ続ける動作が得意なのは親指です。トラックポイントを使う場合、十中八九人差し指でカーソルを操作してクリックなどは親指で行うことになります。これは各指の得意なこととマッチしているのではないでしょうか、と考えます。キー入力に加えてマルチウィンドウでの作業やマウス操作を多くする場合、トラックポイントを導入するのは効果的ではないでしょうか。

では、なぜトラックポイントつき自作キーボードは流行らないのか

パーツ入手と実装が面倒だから、これに尽きます………。 トラックポイントの支える基板を一番安く手に入れる方法、それはThinkPadの交換用パーツをバラすことです。パーツのために7段キーボードをバラしたときは胸が痛かったです。 パーツを外したら所定の場所にジャンパ線をはんだづけして、コネクタとリセット回路を用意する必要があります。専用設計でないと基板の固定も難しいですし、🔴部分の高さの調整も手間です。 そのうえ、キーボードのソフト面でもめんどくささがつきまといます。21世紀も4分の1が終わろうとしていますが、トラックポイントとキーボードはPS/2接続されています。そのため、トラックボールなどの別のデバイスなら使える分割キーボードのサポートが不十分です。そのうえそもそもの実装例が少ないので#define PS2_MOUSE_REMOTE_MODEを有効にしなければいけないことに気づかず時間を無駄にしたりしました。 そして、今トラックポイントを使おうと思うとHHKB Studioが優秀過ぎるというのもトラックポイント付き自作キーボードがいまいち盛り上がらない原因かもしれません……私もStudioほしいもん…!

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございます。親指に仕込むMXスイッチ風5方向スイッチ、あわよくばトラックポイントが流行ってほしいと祈っています。 キーケットでは現在スタッフを募集中です!
おもしろそう!と思ってくださったらぜひページを見てみてください!!

2026年3月28日土曜日にはキーケット2026の開催が予定されています。
詳細はこちら↓

明日の担当はキーボードマーケット運営事務局さんです!

この記事はPoti48で書きました。

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